第205回(2017年1月1日)不死鳥と呼ばれて

 あっという間の2016年だったが、色々なことがあった。

 年の初めに肩が痛いとか、膝が痛いとか、そんなだったが、
年齢相応の事、大きな手術をしたから、と放ったらかしにしていた。

 我慢も限界で、痛さで夜中に何度も目が覚めるようになって、やっと病院へ行った。
痛かった部分、それぞれに病名がついた。

膝は変形性膝関節症
肩は肩関節石灰沈着性腱炎
右手の痛いのは母指CM関節症

変形性膝関節症は年とって膝の軟骨がすり減ったり、水がたまって、膝が痛くなる。
私は階段の昇り降りが四つん這いになってたし、正座をしたら立ち上がるのに痛い、何のと大騒ぎ。
初期なら膝に筋肉を付けると治る。

肩関節石灰沈着性腱炎は肩の関節にカルシウムが溜まって、痛くて腕がうごかせない。
洋服の着替えをする度に痛いし、夜中も痛い。
石灰が小さい時は腕を回して運動療法で改善する。

母指CM関節症は無理な親指の使い方の結果、親指の付け根の骨が痛くなる病気。
親指を反らして使う癖があり、長年の酷使で何も持てないくらい痛くなった。
歯ブラシを持つのも、お箸を持つのも痛いし、掛け時計のネジ巻きができない。
PCを打つのも痛いし、洋服を着替えるのに釦の掛け外しが厳しい。
電気を充てて、ゆっくり動かすリハビリで改善する。

いずれも手術するほど重症ではなかったので、週2-3回、整形のリハビリに通った。
2か月通ったが、整形は常に混んでるし、私も仕事が忙しくなりサボり気味。
オムロンの小さな電気キセノンを買って、自宅でリハビリをすることにした。

9年前に手術した心臓は順調に動いている。
人工に換えた大動脈や心臓の弁に異物が取り付いたりせず、スムーズに動くように薬を飲んでる。
血がサラサラになる薬なので、怪我をした時に止まりにくい。
先日も、人差し指を5㎜切っただけで、24時間、血が流れ続けてボトボトになった。
ギューっと押さえつけても止まらない。
横で見てる友弥人は怖がって、救急車を呼ぶと騒ぐけど、
「大丈夫、いつかは止まる」 とセロテープでぐるぐる巻きにした。
何日もかかったけど、完璧に治った。

2年前に手術した癌の経過も順調。
3か月毎の検診が半年後になった。
きっと、その次は1年後になる。

9年目の心臓外科の検診は主治医の先生が留守で、若い代診の先生。
診察室に入って 
「4日前にヨーロッパから帰って来たんですよー」 と時差ボケもなく、ごく普通に元気な私を見て
「心臓の手術と癌の手術、こんな大きな手術を2回も経験する人は珍しい」 と驚いていた。
「普段は風邪もひかへんのですけどねー」 アホなリアクションしかできずに反省。。。
いつか、打てば響くような返事ができる人になりたいと思うが、天然は治らない。

色々と病気が重なると、予後の検診や薬の調整で病院通いが増える。
大きな検診が年に数回、定期的な検査で2週間毎に内科のクリニックへ。
カレンダーを最初に埋めるのは通院の日。
完全にフリーな日は貴重なので、以前より活動的になった。
←香港経由でパリへ
11月にうまい具合にヨーロッパへ行く日程が組めた。
フランス、ベルギー、オランダで大きな骨董祭があり、小さなイベントやオークションも各地である。
←エッフェル塔とプランタン百貨店
パリに到着した日は雪。
北極から寒気が降りて、20年ぶりの寒い11月とニュースになった。
「先週は気温が20度だった。昨日から急に寒くなって、あなた達はアンラッキーだよ」とパリの友人。
←ルーブル美術館
平日に3日間の滞在だったので、平穏な日々だった。
毎週末、爆弾を仕掛けた車に注意の警報が出ていた。
スイスの友人が 「あなた達はラッキー。週末に電車が2時間遅れとか大変だったのよ」
デパートの飾りはクリスマス用に変更の真っ最中。
←クリスマスの飾り
パリの骨董祭はバスティーユの駅周辺で年2回開催され、数百軒のディーラーが出店する。
毎年、5月と11月にあり、プレハブの建物の中と川の両側に店が並ぶ。
←セーヌ川沿いに並ぶテント
パリから列車でオランダへ行き、レンタカーでオランダとドイツを回った。
仕入は順調、乗り物にもホテルにも恵まれた旅だった。
←オランダの骨董祭(搬入日)

ドイツの北部、ブレーメンの街を観光気分で散策した。
遺跡と美術館にしか興味ない私としては珍しい事。
←ブレーメン
1889年創業のケーキ屋さんへ行き、バウムクーヘンを買った。
ドイツのバームクーヘンは国による規格があり、材料は小麦粉、バター、マジパン、卵、砂糖だけ。
材料の配合とリキュールや香辛料の違いが店の特徴。
作るのはマイスターの資格を持った職人と決まっている。
クリスマスの頃にだけ販売されるお菓子。
←ドイツ菓子
外側をコーティングしてない物もあるが、ビターチョコ、ミルクチョコ、砂糖でコーティングするのが多い。
お土産に各種、大小取り混ぜて13個買った。
小分け用の袋も10枚つけてもらった。
大切なバウムクーヘンが壊れると困るので、段ボール箱に詰めて、蓋を開けたまま、小分け用の袋を載せた。
機内持ち込みの手荷物にして、肌身離さず、日本まで持ち帰った。
←オランダの飛行機雲
関空に到着して、荷物が出てくるレーンで待っている間、犬が私の周りをチョロチョロする。
誰かにコートの裾を触られた気がして、振り向くと犬。
係の人が犬を引きずって離しても、すぐに私の近くに来たがる。
「お菓子にツバつけんといてや~」と犬に鋭い視線を。
←直径15-20cm
通関する台へ行くと、バウムクーヘンが入ってる箱を見せるように言われる。
「麻薬犬が反応したのでね。 中身は何ですか? どこで手に入れましたか?」
私は麻薬の運び屋と思われてる?

実物を見たこともないくせに、イリス店主は
「オランダは麻薬が合法やしね」と知ったかぶり。
「えっ、そうなんですか」と係員が食いついてくる。

私は内科のクリニックで検査の予約があるので、できるだけ早く通り抜けたい。
「箱の中身はドイツで買ったバウムクーヘン。 犬はお菓子が欲しかったんやわ」
税関員 「犬はお菓子には反応しません! この箱をレントゲンに通さしてもらいます」
私 「お菓子しか入ってへんのに~」

レントゲンの結果、怪しい物は見つからなかった。
私、勝ち誇って 「やっぱり、犬はお菓子の匂いに釣られたんや~」
←ドイツのサンタ・チョコ
帰り路、友弥人と二人で
「あれは何やったんやろ~?
 不思議や~。 何で、私? マヌケな犬やわ」

人生、こんな日もあるよね。
こんな経験ができるのも、元気で居られるからこそ。
大きな病気をクリアして、今、ここに居るだけで奇跡と思う。
一日、一日を積み重ねて行けるだけで嬉しい。

友達は私の事を不死鳥と呼んでくれる。
「何回も、死ぬような病気になって、又、元気になってスゴイ」 らしい。
マタマタ、有頂天になって
「私、不死鳥やね~ん」と喜んでると

「不死鳥と言うのは、生き返る度に前より素晴らしいモンになるんやぞ。
 お前はなってへんやないか」
イリス店主の厳しい意見。

奇跡の毎日は平凡が幸せと思える大切な日々。
好事魔多しと言うし、これからも健康に気をつけて過ごしたい。

 by mikiris


第206回(2017年2月1日)日本最古の神社

 古事記と日本書紀に記されている国生みの仕事でイザナギの尊とイザナミの尊が最初に作ったのが淡路島。
続けて四国、隠岐、九州、壱岐、対馬、佐渡、本州と多くの神さんを生んだ。

奥さんのイザナミの尊が火の神を生んだ時の火傷で死んでしまった。
人も動物も死ぬと黄泉の国(よみのくに)へ行くことになってる。
「もう一度会いたい、一緒に居たい」と黄泉の国へ行った奥さんを探しに行ったり、
その後のゴタゴタにより旦那さんは引退を決める。
娘の天照大神に国家統一の仕事を託して、イザナギの尊は淡路島の伊弉諾神宮に隠居した。
←伊弉諾(いざなぎ)神宮
 島の中程にある伊弉諾神宮は大鳥居、中之鳥居、正門、拝殿、本殿が一直線に並ぶ美しい配置の神社。
大鳥居をくぐると右に君が代で歌われているさざれ石がある。
♪さざれ~いしの~いわおとな~りて~♪
すごい年月で雨風にさらされて小石が集結して岩の塊になった物。
←さざれ石
表神門の前に放生の神池がある。
病気が治るように願って鯉を放す。
病気が治った時、お礼の気持ちで亀を放す。
←表神門前の放生池
拝殿の奥にある本殿は正面から写真を撮ったらダメ。
お寺の仏像は絵葉書にもなってるし、写真OKの所も多い。
でも神社の御神体は被写体じゃないし、写真はNG。
本殿の造りはお伊勢さんや出雲大社と同じ、入母屋造り。
←拝殿と本殿
境内に酒造りと醸造の神様を祭った龜(かめ)神社、根神社は火伏の神様でもある。
農業の神様を祭った住吉神社、目の病気にご利益のある左右神社の末寺がある。
←龜神社、根神社と住吉神社、左右神社
本殿の右側にある大きな楠は補強作業中だったので、近寄れず。
触ると夫婦円満のご利益がある。
←宝物殿
平日の夕方、ひっそりした境内を歩くと平和な気持ちになる。
日本の始まりの場所はパワースポットでもある。
神社の中をゆっくり一回りして、充電。

淡路島は京都から遠からず近からず、日帰りでも楽々の距離。
←明石大橋
明石大橋を渡ると大きな観覧車が見える。
島から橋を見るスポット。
晴れの日は展望台から海の向こうに六甲山やあべのハルカスが見える・
←淡路島から神戸方面
自然豊かな島で、あちこちに花の公園がある。
花さじきは兵庫県が運営する公園で季節ごとに違った花がある。
←花さじき
秋はコスモス、冬はストックと葉牡丹。
←ストックの花
花畑は山頂にあるので瀬戸内海が見渡せる。
寒い冬、小雨の降る日は無人。
公園を独り占めできるけど、しょーもない。

季節の良い、晴れた日にブラブラ散歩する方がいい。
春になったら芝生も枯れた坊主の花畑が満開になるんだろうなぁ。
←テーマは鳴門の渦巻き
花さじきの駐車場前に休憩所と土産物店がある。
休憩所でココアを飲んで、温まる。
淡路島は吹き戻しの産地として有名。
大小、色々な種類の吹き戻しがあった。 なつかし~。
←吹き戻しとカフェ
島を南下して、南淡路の道の駅うずしおへ。
←道の駅 うずしお
鳴門大橋のたもとにあり、ベランダから観光船が渦潮に近寄る様子が見える。
←鳴門大橋と観光船
徒歩で鳴門大橋まで行く通路がある。
歩いて四国まで行けるのかな?
レストランと売店があり、四国と南淡路の海産物、野菜がある。

 鳴門大橋のたもとから海岸線をたどって丘の上まで登ると国民休暇村がある。
瀬戸内海と鳴門大橋を見下ろす景色が美しい。
国民宿舎と国民休暇村は学生や若い人向けと思ってたが、意外や意外。
←休暇村
 温泉好き、旅行大好きの友達が
「国民休暇村はお薦めやわ。お客さんが日本人ばっかりやし」と教えてくれた。
全国37か所あるので、近くて、暖かい場所と選んだのが南淡路。
←部屋から鳴門大橋
部屋は清潔で広く、三間続きで窓から鳴門大橋が見える。
晴れた夜は星空観測ができる。
食事は瀬戸内海の魚、淡路島と四国の素材の物で美味しかった。
私は小食で好き嫌いが多いので、バイキングが嬉しい。
好きな物ばっかり食べてもOKだから。
淡路島の特産だけど、玉葱は嫌い。
今回、てっ皮のポン酢ジュレと鯛のアラ炊きを重点的に攻めた。
てっちり好きなら3年トラフグコースのプランがある。
←夕食バイキング
温泉は建物の2階にあり、露天風呂から鳴門大橋が見える。

今は国民が取れて、休暇村と言う。
名前が変わっても、国民の為の休暇村のまま続いて欲しい。

 by mikiris


第207回(2017年3月1日)アンティークレースmini-dic4

 ハンドメイドで作ったアンティークレースをざっくり分けるとボビンレース、ニードルレース、その他の技法で作ったレースとなる。
ボビンレースはヨーロッパ各国で長い期間作られたので種類も数も多い。

ニードルレースは作るのにボビンの何倍も時間がかかるし、超高級品だった。
現存するレースは1600年から1850年に作られた物が多い。
アンティークレース全体の7割がボビンレース、2割が手刺繍とニードルレース。

残りの1割がかぎ針編み、タンブーワーク、ソルワーク、ドロンワーク、アップリケ等々の技法で作ったレース。
ヨーロッパだけでなく、植民地や各国で作られたのに数が少ない。

アイリッシュ・クロシェは19世紀にアイルランドで作られたかぎ針編みのレース。
←アイリッシュ・クロシェ
最初は17世紀のイタリアのレース、グロポワン・ド・ヴニーズを再現しようと考案された。
単純な鎖編みと細編みを合わせたものではなく、モチーフの部分が盛り上がっていて、花びらが何枚も重なってる。
手間と時間のかかる難しい編み方。
モチーフをいくつも作って、最後につないで仕上げる。
←製作中のアイリッシュ・クロシェ衿
かぎ針1本でモチーフを作るので、持ち運びが便利、場所を取らない。
あっという間に作り手が増え、学校も設立され、人気のレースになった。
アイルランドの国花、シャムロックや竪琴のモチーフが多い。
1850-60年頃が最盛期で素晴らしい物が作られた。
←アイリッシュ・クロシェ
1900年-1930年は盛り上がた部分の少ない、小さな花になった。
花びらが重なった桜草のような小さな花も可愛らしい。
後にアイリッシュ・クロシェを模したミシン刺繍のケミカルレースが考案された。
仕上げを手作業でして、釦ホールステッチを追加するなど、手間のかかったケミカルレースもあった。
下の画像は上段がケミカルレース、下段がアイリッシュ・クロシェ。
←上・ケミカル、下・アイリッシュ

タンブーワークはアイルランド、イギリス、ベルギー他各国で製作されたが、デザインや使う糸の太さに微妙な違いがある。
基本はマシンネットを土台に、細いかぎ針で糸を引き抜いてチェーンステッチで刺繍する技法。
最初、1700年代にこの技法が考案された時は薄いローン布に細かいチェーンステッチをした。
1810年に機械でネットを作れるようになり、マシンネットにタンブーワークを施すようになった。
←タンブーネット
アイルランドのリムリックの名前が付いたリムリック・タンブーネットはカンバスに自由に描いたような美しい、伸びやかなレース。
大判の機械織りのネットにタンブーワークで刺繍を入れる。
リムリック・タンブーネットの特徴はチェーンステッチで描いた模様の縁や空いた場所に手刺繍が入っている。
タンブーワークと手刺繍の2種類の技法を1枚のレースに入れることで、華やかなストールやオーバースカートができる。
←リムリック・タンブーネット

アイルランドのカリクマクロスで作られたレースはカリクマクロス・アプリケ。
←カリクマクロス・アプリケ
見た目から想像がつかない面倒な制作過程のレース。
まず、網目だけのレースの上に薄布を重ねる。
2枚の布を重ねて下絵のモチーフの縁取りを縫う。
全てのモチーフの縁取りが縫い終わると、はさみで上の布だけ、縁取りの外側を切り取る。
ネットに布をアプリケした物が出来上がります。
手刺繍で模様を追加した物は手間がかかっていて、見た目にも一層、美しい。
1863年に機械でカリクマクロス・アプリケを作れるようになった。
マシン・メイドのカリクマクロス・アプリケは単純なデザイン、モチーフが大きく、縁取りの糸の外れた物が多い。
←アプリケの布に手刺繍でボリュームを付けた珍品
ネットを重ねずに布に縁取りをしてカットするのがカリクマクロス・ギピュール。
カットした隙間に手刺繍やニードルワークを入れる。
製作に手間がかかるし、洗濯に向かないし、パッとした華やかさもないし、ヨーロッパ各国に広まらなかった。
現在、端切れは手に入ることもあるが、ギピュールで作った大判の物は超希少品。
 ←カリクマクロス・ギピュール

ニードルラン、ダーンドネットと呼ばれるレースはネットに糸を通して模様を作る。
刺繍のように細かく糸をくぐらせたり、長く残したり、表情が豊か。
1825年ー40年、初期のネットはハンドメイドで、アイルランドでダーンドネットを作っていた。
1860年に機械織りのネットが製造開始になり、ハンドメイドで土台のネットを作らなくてもよくなった。
布に刺繍をするように、細かいネット状のレースに糸をくぐらせて刺繍をする。
土台がネットなので透け感があり、軽く、美しい。
あっという間にこの技法がフランス、ベルギー、イギリスとその領土に広まった。
←リムリック・ニードルラン

似たレースにネット・オン・ネット(Net on Net)がある。
マシンネットの上にマシンネットをアプリケするレース。
可愛いデザインのレースが多い。
←ネット・オン・ネット

フィレレース(Filet Lace)はラシ(Lacis)とも呼ばれる。
四角い枠の上下、左右を使って漁網のような四角い網目を作る。
網目に糸をくぐらせて模様を作る。
19世紀になり、土台になるネットが販売され、自分で刺繍をするだけ、とお手軽になった。
大小、色々な形が可能で、文字や動物、人物、花、船などを自由に刺繍できる。
 ←フィレレースと製作中の枠

メゾ・マンドリノ(Mezzo Mandolino)
これもフィレレースの一種。
←メゾ・マンドリノ

ビビラ(Bibila)レース
針と糸で結び目を作りながら広げていく。
始まりは指を使って輪を作り、輪の縁に沢山の方結びを作る。
小さなヒマワリの花のような物が出来上がる。
花びらの縁に新しい糸を結んで模様を増やしていく。
トルコ、ギリシャ、シリア、アルメニア等の地中海東よりの国で作られた。
マルタ島のマルテーズレースと同様に、最初は絹糸で作っていた。
19世紀に入り、西ヨーロッパに輸出し始め、白い綿糸を使うようになった。
小さな扇形が重なった可愛らしいレース。

←ビビラレース

ソル・ワークはスペイン領の国で発達したレース。
ソル(Sol)はスペイン語で太陽。
出来上がったレースはひまわりの花をいくつも合わせたように見える。
 ←ソルワーク
南米のパラグアイで製作されたソル・ワークはナンドゥティ(Nanduti)。
パラグアイの原住民の言葉ではニャンドゥティ(Ñandutí)。
細い絹糸を使って、平らな丸いリングの縁に針を刺し、それに糸を引っ掛けながら何往復もする。
←絹糸のナンドゥティ

カナリア諸島のテネリフェ島を発祥とするテネリーフも同じ作り方。
綿糸を使ったマットは円形のモチーフを繋いで作る。
19世紀末ー20世紀にかけて、英国でテネリーフを使ったテーブル・リネンが製作された。
麻布を土台にして、糸を引き抜いて部分的に穴を開けたり、模様をつくるドロンワーク。
このドロンワークとテネリーフを組み合わせたテーブル・クロスやマットに人気があった。
 ←テネリーフ

テープレースをニードルワークで繋ぐ、テープ&ニードルの技法がある。
初期のテープ&ニードルレースは17世紀、イタリアで考案されたメゾ・プント。
ボビンで織った細いテープを手刺繍で繋いで仕上げる。
作り方は結構、簡単。
製図を書いて、その上にテープを仮止めする。
その間を刺繍で繋ぎ、仕上がったら仮止めを外す。
←テープ&ニードル
技術がヨーロッパの国に広まり、ベルギーではリュクソイユ(Luxeuil)、アメリカではバテンバーグ(Battenberg)。
ハンカチ、テーブルリネンが多い。
←リュクソイユ・レース
英国のデボン州ではブランスコム(Branscomb)テープレースになった。
ブランスコムは細いテープを使い、ニードル部分のデザインも種類が多く、楽しいレース。
ハンカチ、衿の服飾用が多い。
←ブランスコム

ドレスデンワークは薄い布地の糸を寄せたり、間を開けて模様を作る。
布から糸を引き抜くのはドロンワークだが、ドレスデンは糸を寄せるだけ。
濃淡で作るデザインでモヤモヤ~としているが、遠目に美しく、近くで技術に感嘆する。
 ←ドレスデンワーク
←ドレスデンワーク

他にはシャトルを使うタティング、ヘアピンかぎ針で編むレース、糸を組んで作るマクラメ、
細い棒張りで極細の植物繊維を編むクンストストリッケン、フィレの一種のブラット、もっとある。
←かぎ針編み
←ヘアピンかぎ針
←マクラメ
←ブラットとプントグルッポ

レースは糸を織る、編む、刺す、組む、寄せる、抜く、通す、引っ掛ける、で作る。
時代、国、地方、町によって作り方、デザインにも違いが出る。

古い雑誌を見ると、レースの起源や作り方、デザインが載っている。
これはアイルランドのリムリックレースとカリクマクロスレース特集号。
アイルランドのレースは細い物で250番の糸を使う。
下はベルギーの糸で440番。
←レースの雑誌と糸

現在、手作業でレースを作って仕事にしている人は極わずか。
手間と時間を考えると割に合わない仕事です。
これらの技術がいつまで継承されるのかはわからない。
17世紀、18世紀のレースを目の前にして、これが300年後、どうなってるのかな~。
きっと超レア物として、美術館でしか見られないかも知れない。
絹糸や木綿糸、麻糸が存在してるかも不明。

毎年、テーマを替えて開催するレース展。
今年は「糸の仕事」、少数派のマイナーな技法の物だけ集めました。
少数派だって存在感はある。
見て楽しい物、作り方を知りたくなる物、100点以上を展示即売します。
私の長年の個人コレクションから糸とレースを出します。

3月22日ー4月2日、期間中無休、ご来店をお待ちしています。

 by mikiris


第208回(2017年4月1日)星空観測

 新月の晴天の夜は星空を見るのに絶好のチャンス。
その夜、ビルの灯りから遠く離れた海辺の山の上に居たら、
そして、その場所に天体望遠鏡があったなら。
滅多にない事が重なって、めちゃくちゃラッキー。
←鳴門の渦潮
 淡路島の国民休暇村にはハワイのマウナケアよりだいぶん小さい天文台がある。
建物の屋上に銀色のドーム型の天文台が設置されてる。
肉眼でもいくつかの星は見えるけど、望遠鏡だと等級の低い小さな星も見える。
←新月の夜、鳴門大橋
休暇村の人が強力なペンライトで星を指しながら、説明をしてくれる。
星空観測のイベントに参加した15人が順に天文台の中に入って、望遠鏡で星を見る。

夜空を見上げるだけでオリオン座、カシオペア座、北斗七星くらいはわかる。
オリオン座は長方形で真ん中に3つ並んだ小さな星がある。
夜空のオリオンは牡牛と戦っていて、右方向に牡牛座がある。

オリオン座の左上の赤く明るい星がベテルギウス。
オリオン座の三ツ星を左に伸ばすとおおいぬ座のシリウスがある。
シリウスは白くて明るいので見つけやすい。
赤いベテルギウス、白いシリウスを底辺にこいぬ座のプロキオンを見つけたら、冬の大三角形ができる。
もっと大きな大六角形もペンライトで刺して教えてもらった。

肉眼で見える大星雲がある。
オリオン座の三ツ星の下の縦に並ぶ小さな三ツ星の真ん中がボヤボヤ~としてる。
これがオリオン座大星雲M42。

オリオン座の三ツ星を右に伸ばすと、オリオンが戦う牡牛の目が見つかる。
赤い星はアルデバラン。

その先に小さな星が集まった星団の昴(すばる)がある。
昴を見て、星が何個見えるかで視力がわかる。
車のスバルのロゴは星座をモチーフにしている。
望遠鏡で見ると、沢山の小さな星がキラキラして美しい。
清少納言は枕草子で「星はすばる、彦星、ゆうづつ」と書いた。
訳・・美しい星のベストはすばる、彦星、宵の明星。

夜空の写真が撮れなかったので、下のURLに解りやすく星座が載っています。
http://zukan.kids.yahoo.co.jp/astro/winter/0006.html

 私は都会の子なので、星空が好きでも、見る機会がなかった。
寒空で上を見続けた1時間、こんな機会は二度とないと思うくらい綺麗な星空だった。
いつか、彗星を見られたら感激するだろうな~。
←彗星

 淡路島に行くと、あちこちで「オノコロ」の表示を見る。
淡路島のテーマパークの名前も、レストランやカフェ、クリニック、市場、食品の名前にも「おのころ」。
オノコロ=淡路島で、古事記と日本書紀に出てくる神様が最初に作った島がオノコロ島で淡路島の事。
←おのころ島神社
 自凝(おのころ)島神社に行ってみた。
昭和57年に作られた高さ21.7M の赤い鳥居がランドマーク。
京都の平安神宮の鳥居、厳島神社の鳥居と合わせて三大鳥居。
イザナギノミコトとイザナミノミコト、ククリヒメが祀ってある。
本殿の裏側に八百萬(やおよろず)の神。
←八百萬の神

やっぱり、伊弉諾(いざなぎ)神宮が好きだな~と、節分もとっくに過ぎて、遅ればせながら初詣。
←伊弉諾神宮の放生の神池
←ご神木の大楠

 休暇村の近くにしだれ梅を公開している家があり、ちょうど見頃の日だった。
TVでも紹介されて、休暇村のロビーにもしだれ梅の写真が何枚も飾ってあった。
プロントで聞くと、印刷された地図があり、個人宅だけど、観光スポット。
細い道をたどると、迷いそうな所にしだれ梅の絵を描いた小さな看板が立ってる。
←駐車場前の畑
山の中腹に畑を改造した大型バスも何台でも止められる程の大駐車場があり、車を置いて少し登る。
玄関前の大きな梅の木は満開。
←しだれ梅

梅の木の前では地元の野菜、果物、手作りの食品を売っていて、小さな道の駅。
しだれ梅を株分けしたのも販売されていた。
←しだれ梅販売中
小さいのも可愛いな~。

淡路オノコロワールドパークに隣接する市場に行った。
ワールドパークの駐車場に車を置いて、入り口横に販売所がある。
地元の野菜、果物、お米、花が新鮮で安い。
文旦、苺、ブロッコリー、春キャベツ、変わったお芋や葉っぱ類。
←オノコロワールドパーク
←オノコロ市場

お土産は淡路島の素麺とイカナゴに決めていた。
しかし、イカナゴは漁が始まってないので去年の物が並んでる。
残念な気持ちで、淡路島を離れる前にハイウェイオアシスに寄った。
レストランとショップ、公園がある。
←ハイウェイオアシス
←オアシスの公園
珍しいフルセがあった。
大人になったイカナゴ。
漁の解禁が稚魚(しんこ)より早いので、2月後半に店に並ぶ。
漁師さんや浜の人に人気の魚で、漁獲量が少ないから売り切れ御免の品。
琵琶湖の小鮎やモロコの佃煮に似た感じ。
新こ(シンコ)の佃煮は調味料の味が濃いけど、フルセは魚の味があるので美味しい。


星空観測以来、寝る前に窓から星を見るのが習慣になった。
近所の街灯と電気の看板があるけれど、少しは見える。
「オリオン座がある、あれは北極星かな」
「明るい赤い星はアンタレスかな? さそり座やな?」
横で友弥人が
「それは火星や」

 by mikiris


第209回(2017年5月1日)ペンギンは羽毛か毛皮か?

 長い間、これが気になって仕方がない。
TVで見る感じでは、ペンギンの外側はイルカのようにツルツルに見える。
ペンギンは他の鳥のように羽を広げて空を飛ばない。
その代わり、腕を身体にピッタリと付けた状態で水の中を縦横無尽に泳ぐ。
ガラス張りの水槽を見ると、ロケットのように一瞬で通り過ぎる。

 今まで、何度もペンギンを見に行ったけど、いつも遠くからで詳細を観察する機会がなかった。
この度、10㎝の距離で生のペンギンを見ることができた。
今までの疑問がスッと消えた。

ペンギンはダウンジャケットから出てくる様な細い羽毛でびっしりと覆われている。
皮下脂肪と羽毛にくるまれているので、寒い所でも大丈夫。
←羽が生え代わり中の王様ペンギン
←フンボルト・ペンギン
 フンボルト・ペンギンは平均寿命が20年。
水族館で暮らすと30年以上生きるのも居る。
胸に黒い横筋が入っているが、生後1年以内は胸もお腹も真っ白で黒い筋がない。
1年に1回、羽の生え代わりがあり、最初の生え代わりで黒い筋が入る。
1歳を超えたペンギンと30歳のペンギンと、外見で見わけはつかない。
←1歳未満のペンギンと親(身長50㎝)

飼育員に「あれが30歳、これが1歳」と教えてもらい、観察してると
年寄りのヤツは無駄に動かず立っているし、1歳のヤツは他のペンギンにへばりついて甘えたり、歩き回って、白い糞を飛ばす。
1歳と30歳の差は活動的加減で「そうかな?」と思える。
それ以外のペンギンは飼育員の人も、どれが何歳かわからないそうです。
←フンボルト・ペンギンのお散歩
 フンボルト・ペンギンは南アメリカに生息するので、日本で外飼いしてもOK。
南極に住むペンギンは冷房完備の建物の中で暮らす。
世界最大は皇帝ペンギン、その次に大きいのが王様ペンギン。
黒と黄色のコントラストが美しい。
←王様ペンギン(身長約1m)
白っぽい小さなジェンツー・ペンギン。
←ジェンツー・ペンギン
眉毛がピーンとして、怖いオッサンみたいな顔の岩飛びペンギン。
←岩飛びペンギン
越前松島水族館では1日に数回のペンギンお散歩タイム、イルカショー、アザラシの餌タイムがある。
←イルカショー
10棟以上の建物に分かれて、魚、クラゲ、蛙、亀、カワウソ、原始の魚、海の動物が展示されてる。
←クラゲ
水の上を歩けるガラス水槽は足が震える。
←サンゴ礁の海を歩く
グズグズした天気の平日の午前中、静かな館内をマイペースで楽しめる。
←白鳥、ウミネコ、イグアナも昼寝中
蛙の水槽で、忍者のような蛙を探したり、手の角質を食べてくれる魚に綺麗にしてもらったり。
子供の居ない水族館は大人の遊び場!
←ドクターフィッシュ
←越前松島水族館

 水族館から車で5分、越前海岸の東尋坊は高い崖が美しい地形。
1,200万年前の火山活動で出来た火山岩の柱状節理波で出来た。
その美しい崖を正面から見ることができる雄島へ行った。
←橋を渡って雄島へ
赤い橋を渡ると大湊神社がある。
←火山節理の雄島
うっそうとした原生林は1000年以上前から育つ木もある自然の森。
雄島は神秘の島。
←下の鳥居をくぐって階段を登る
階段を登って鳥居をくぐり、神社にお参り。
←手水鉢と大湊神社
神社前の社務所は長く無人の様子。
神社を背にして立つと、東尋坊が見える。
←神社から東尋坊を見る
東尋坊は自殺の名所。
身投げしたボディは雄島に流れ着くらしい。
東尋坊を見守る位置に大湊神社が建っている。
←遊歩道で島を一周する
磁石が狂う岩の場所。真水の湧き出す井戸、越前の海を照らす灯台。
←遊歩道と灯台
火山岩が長方形の筒になった節理を見ながら、島の外側を進む。
海を見ると茶色い波が漂ってる。
昔、ロシアのナホトカ号が沈没して、現在でも積み荷の油が浸みだしている。
←火山節理の岩
ぐるっと一周すると、階段を登り切った鳥居の所に戻った。
階段の下に戻れると思ってたのに、残念。
←雄島から東尋坊を見る
嵐の翌日で風が強い日だった。
曇り空で雨は降ってなかったけど、強風にあおられた波しぶきでしっとりした。
こんな日だったので、広い駐車場に車はなく、島を1周、一時間、貸し切りでした。

福井県に来たら、曹洞宗大本山の永平寺へ行かなくちゃ。
曲がりくねった道を進むと土産物店が並ぶ参道に入る。
参道は短くて、先にお寺がある。
参道の土産物店の駐車場に車を置いて、買い物をしなかったら500円。
店によって1000円から2000円の買い物をしたら駐車料金は無料になる。
←永平寺
永平寺は1244年に道元禅師が開いた修行のお寺。
山の中に70の建物が並び、それが廊下で繋がってる。
←永平寺境内
入口で入場券500円を買って、建物に入る。
スリッパが用意されてるが、無いほうが歩きやすい。
お寺の中は掃除が行き届いてピカピカ、廊下も階段もツルツルです。
お坊さんたちは足袋もスリッパもはかず、裸足。
←永平寺廊下
境内で修行のお坊さん達を見かける。
←永平寺山門
永平寺のパンフレットの表紙は雪景色。
冬の寒さが厳しい、修行道場のお寺。
庭と四季の花を楽しむ京都のお寺とは大違い。

 京都から福井へ車で2時間半。
日帰りもOKの距離だけど、この辺りは温泉がある。
ナトリウム泉の露天風呂がある国民休暇村で宿泊。
←窓からの景色

展示会の疲れも癒されて、ゴールデンウィークは店で仕事。
還暦過ぎても、自営業はリタイアできない。
しかし、若い頃のようにがむしゃらに働くだけの日々ではなくなった。
たまに気を抜く時間を取るようになりました。

 by mikiris


第210回(2017年6月1日)さっぽろ湖のキタキツネ

 私がイメージしていた札幌市は大通公園や時計台、旧市庁舎、テレビ塔がある町。
東京や大阪、名古屋に次ぐ大都市のイメージだった。
実は札幌市はすごく広くて、その半分が南区。

 1972年の冬季オリンピックの時に南区になった地域は広大で、余市岳や支笏湖国定公園の北部を含む。
人工湖のさっぽろ湖も南区にある。
細長い湖で展望台が4か所ある。
第三展望台へ行ってみた。
←さっぽろ湖
パーキングには運送トラックとダムの管理人の車が停まっていた。
車から降りて湖を眺めると静かな湖面に山が写って綺麗。
湖畔に遊歩道があり、展望台へ上る道が続く。

高い所からなら、もっと綺麗な景色が見えるかな?
私が木組みの階段を登ろうとすると、「熊が出るぞ」と友弥人が脅かす。
「大丈夫、ちょっとだけ」と一人で階段を上がった。

途中でダム管理の人とすれ違い、その人は車に乗って走り去った。
どんよりした小雨の午後、山間の道路を走る車も少ない。
人の気配がない所に行くと、友弥人はいつも怖がる。
←さっぽろ湖
ちょっとだけと言ったけど、上の展望台まで登ってしまった。
展望台からの景色は神秘的なくらい静かで美しい。
←第三展望台から
ゆっくりと眺めていたら友弥人もやってきた。
携帯のストラップについてる小さな鈴を鳴らしてる。
「管理の人、鈴をつけたはったやろ。 熊が来たらどうすんねん」
「熊が来たら、死に物狂いで鼻パンチや」と私。

パーキングへ戻ったらキタキツネが居た。
「あ、キタキツネや。 キツー、写真撮らして~」
カメラを構えて近寄ってもキタキツネは逃げない。
それどころか、私に近寄ってくる。
お互いに恐る恐る近寄る。
←キタキツネ
友弥人はさっさと車に乗り込んで 「早よ乗れ、噛まれんぞ」
キツネが車の後ろまで来た。
近くで見たらキツネの足が3本しかない。
「キツ、こっち来たらアカン。車にひかれるやん」

自分で餌を取れないキツネに何かあげたいけど、グレープフルーツ味の飴しかない。
「キツの為に鮭フレークでも持ってきてあげたら良かったなー。」
「又、今度」 とキツに別れを告げた。

 北海道旅行は4月末に急に決定した。
何でかと言うと、JALのマイレージのポイントが4月で消滅してしまうから。
ポイントを商品に変えるか、航空券にするか、イオンの買い物カードにチャージするか。
友人達はイオンのカードにチャージして、日々の買い物に使っているが、私の家からイオンまで車で30分以上。
航空券にするのが一番お得だけど、海外へ行く日程が決まってないのでタイミングが合わず、残念。
次に得なJALパックの旅行に使うことにした。

 北海道へはスキーで何度か行ったけど、雪のない季節は初めて。
ゴールデンウィークが過ぎ、ライラックやラベンダーの季節には早すぎる時期は閑散期。
混んでる所が嫌いな私にバッチリ。
期待せずに行ったが、遅咲きの牡丹桜が満開だった。
←牡丹桜とチューリップ
札幌のオークラホテルで一泊して、旧市庁舎、テレビ塔とオノボリサン観光をした。
←札幌時計台とテレビ塔
←旧市庁舎、外と中
旧市庁舎の観光課で北海道のマップやクーポン付きのパンフをもらって重宝した。
執務室、会議室、樺太の部屋、北海道の産物を紹介した部屋がある。
お昼に旧市庁舎近くで初ジンギスカン。
オークラホテルは立地が良く、部屋のクロークに消臭スプレーがあって良かった。
ジンギスカンの匂いを消すために何度もスプレーした。
歴史あるホテルで、雰囲気もスタッフも良かったし、
朝食には道産の濃い牛乳、濃いトマトジュース、濃いリンゴジュース、菩提樹の蜂蜜。
←オークラホテルの朝食
2日目、札幌市内でレンタカーを借りて、小樽へ。
海辺の町で握り寿司を食べる予定が、団体のバスや人に圧倒されて、早々に街を出た。
←小樽運河と周辺
←レトロな街並み
白樺と山と川の景色を楽しみながら、定山渓へ。
150年前に修行僧の美泉定山が病気や怪我の人の為に拓いた温泉地。
湯元の鹿の湯で宿泊。
札幌から直行なら1時間なので、アジア系の団体が多かった。
温泉のお湯はナトリウム泉で少し硫黄の匂いがする。

定山渓の近くにアイヌ博物館がある。
展示の品は写真を撮るのも、手で触るのもOK。
動物や魚の皮で作った衣類、アイヌ古来の模様が展示してある。
←アイヌ博物館展示品
屋外展示の住居は中に入れる。
さすがに展示のトイレは使用禁止でした!
三角が女性用トイレ、四角が男性用。
←アイヌ博物館屋外展示
定山渓から中山峠を通って、余市岳や羊蹄山を見て、喜茂別へ。
←中山峠と喜茂別道の駅
←雪が残る山
洞爺湖の北岸に水の駅があり、湖畔を散歩した。
遊歩道やキャンプ場にアート・オブジェが展示してある。
←洞爺湖キャンプ場
洞爺湖の北岸から西岸、南の湖岸へ。
←北岸と西岸からの洞爺湖
洞爺湖を半周して観光船乗り場へ。
洞爺湖は11万年前の噴火でできたカルデラ湖で、この辺りは洞爺温泉。
洞爺湖を挟んで羊蹄山が見える。
反対側に有珠山と昭和新山が並ぶ。
←洞爺湖南岸で羊蹄山と昭和新山
洞爺湖から伊達市を通り抜けて支笏湖へ。
支笏湖は4万年前の噴火でできたカルデラ湖で、近くに支笏温泉がある。
支笏湖は日本最北の凍らない湖で透明度が高い。
風の強い日で波が立ってたので透明度はわからなかった。
←支笏湖
北海道南部にはシュッとした形の山があちこちにある。
富士山に似た形の噴火によってできた山。
余市岳1488.1mのように1500m級の山が多いが、羊蹄山は1898m。
噴火口近くまで登れる山がほとんどで、山のふもとに登山口がある。
←支笏湖から登別温泉へ
登別温泉の地獄谷では今も1日に1万トンの温泉が湧いている。
熱湯が噴き出す所もあり、土が硫黄で黄色くなってる。
遊歩道が整備されてるので鉄泉池、大湯沼、奥の湯、足湯と歩いて回れる。
階段で山登りをするような箇所もあり、時間があればトレッキングの疲れを足湯で癒せる。
←地獄谷
登別温泉の町では川から蒸気が上り、硫黄の匂いがただよう。
細長い街の北部にある石水亭に泊まった。
高級料理旅館でこじんまりした所を期待していたが、3館が繋がった巨大なホテルだった。
幸い、部屋と大浴場、夕食の建物が同じだったので移動が少なくて良かった。
お風呂は強烈な硫黄の匂いで、露天風呂ならゆっくり浸かれる。
夜は満点の星が広がり、あまりに星が多すぎて星座が見つからない。
空気が澄んでるから星がきれいに見えるし、昼の日差しも強い。
←登別温泉の青鬼

登別温泉から樽前山を見ながら千歳空港へ。
←千歳空港へ
今回は自分へのお土産だけ。
←キタキツネのキーホルダー

 by mikiris


第211回(2017年7月1日)日本は美しい

 毎日、ネットで富士山ライブカメラを見るのを日課にしていたら、近くで見たくなった。
国民休暇村は全室が富士ビューと知り、温泉上がりに部屋の窓から富士山なんて、最高やん。
通院の無い週で、店の定休日で、梅雨だけど晴れ予報、富士の休暇村が空いてるので、ゴー。

 京都から新東名を通って、ビューんと行きたいが、サービスエリアへちょこちょこ寄り道。
長く同じ姿勢でいるのは足のリンパと膝に悪い。
1時間過ぎると、次のサービスエリアで散歩。

 御在所のサービスエリアは赤福もちの茶店があった。
甘いもの好きの友弥人は心を惹かれてたけど、昼御飯前だったので我慢。
←岡崎SAの親子丼
お昼は岡崎サービスエリアで名古屋コーチンの親子丼、ボンジリ入り。
ボンジリは鶏のお尻の肉で活動してる美味しい部分。
私のお尻の肉はフニャフニャだけど、若鶏のお尻はプリプリ。
年とるって、イヤやね~。
京都ではお蕎麦や丼物に山椒粉は絶対だけど、他所に行くと置いてない。
My山椒を持っていると便利。
←富士休暇村の部屋から
 休暇村の3階の部屋から田貫湖を挟んで富士山が真正面にある。
京都を出るときは晴れてたのに、少し雲がかかってる。

2日前に「1日限定6組だけ」のプランが残ってたので、お客さんが少ないと思った。
行って判ったのは、連泊の人が多いこと。
1泊で富士山を見ようとするのは虫が良すぎる?
←田貫湖の向こうに富士山
 田貫湖の周りは森があり、湖畔を散策できる。
森にはカッコー、シジュウカラ、ウグイス、ホトトギスがいて、一日中、鳥の声が聞こえる。
シジュウカラはツツピーツツピーと鳴き、ホトトギスはテッペンカケタカと鳴く。
ロビーも、レストランも、お風呂も、展望台も部屋も富士ビュー。
いつ、雲が晴れても見逃さないようになってる。
←部屋から富士山の頂上
 前夜の大雨から明けて、空は青空でも、富士山の頭のあたりにだけ雲が来る。
山のふもとからどんどん雲が生まれてる。
表情がどんどん変わる富士山を見ていると時間が経つのを忘れる。
たまに雲が過ぎ去った隙間から頂上が見える。
近距離から見る富士は見上げるほど大きい。
「おおー」と言う感じ。
←田貫湖畔の展望台から
田貫湖畔は4月と8月にダイヤモンド富士が見える場所で、朝は逆光。
朝の富士山は山中湖方面からが綺麗。

バイキングの夕食は塩っ辛いし、温泉は効かないし、露天風呂が無いのが残念。
それでも、富士山がドドーンと見えたら、全部、許せる。
部屋に備え付けのお茶が「やぶ北茶」の新茶で美味しかったのもマル。
←鮎の塩焼き、ひらまさ、紅鱒の握りずし
富士山から本栖湖、精進湖を経由して松本市へ。
←精進湖
松本には現存する日本最古の城、松本城がある。
400年以上前に建てられた城を元に増築して今の形になった。
堀に囲まれた白壁の天守は5重だが、内部は6階建て。
←松本城・・堀外から
お城の北側の駐車場に車を置いて、堀の周りを歩いて南側の天守入口へ。
北側の駐車場が一番安いし、赤い埋の橋を見て、天守閣を見て、御殿跡を見て戻れる。
←松本城
木造の城の階段が急で、手すりにぶら下がりながら昇り降りする。
戦国の城なので、責められたときの石落とし、鉄砲を撃つ窓、外から見えない部屋がある。
城内の展示品は火縄銃が中心。
火縄の玉は女性が作っていた。
←天守閣
 松本市時計博物館で特別展を開催中だった。
これが見たくて松本まで来ました。
←松本市時計博物館
博物館の外観が振り子時計になっている。
隣にコインパーキング有り。
館内の時計は正確な時刻を刻んでいる。
←展示の時計
 松本市美術館は外観を見ただけで草間彌生とわかる。
←松本市美術館
草間彌生は松本市で高校まで過ごし、その後、京都の美術学校に入った。
市美は松本市出身の作家の作品を常設展にしている。
外観はポップで楽しいし、館内のトイレも階段も水玉模様。
コカ・コーラの自動販売機も水玉模様。
←トイレの鏡、階段
 松本から3時間少々、乗鞍高原へ。
←風穴の里
途中、道の駅、風穴の里に立ち寄る。
風穴は氷室の様な物で、天然の冷蔵庫。
安曇野の稲刻辺りで、山の斜面から冷たい風が吹き出す場所に横穴を彫って倉庫にする。
風穴の中は夏でも気温6度程。
道の駅の入り口にある太鼓橋を渡って、少し歩くと風穴があり、中を見学できる。
松本城の昇り降りで疲れて、風穴見学は行かず、濃厚ソフトクリームを食べて休憩した。
山野草の販売、地元の山芋や野菜、土産物やレストランがある。
←梓湖とトンネル
 さて、つづら折りの山道を走り、ドラマに使われそうな細い暗いトンネルを何本も抜け、乗鞍高原へ。
どんどん登っていく道の前方に乗鞍岳が見える。
←乗鞍岳
初夏の乗鞍岳はテッペンに雪を残している。
国民休暇村にチェックインして、部屋の窓から乗鞍岳が真正面。
時間によって変化する乗鞍岳は本当に美しい。
←乗鞍岳
私達は温泉目当てに来たけど、登山やトレッキングで連泊している人が多い。
3連泊、5連泊はざら、6連泊の人も居た。

 乗鞍高原は自然がいっぱい、高原植物と鳥の宝庫。
ずーっと鳥の鳴き声が聞こえてる。
散歩しても、露天風呂に浸かっていても、新芽の出た樹木に囲まれて、鳥の声を聞く。
早朝、乗鞍岳が赤く染まっていた。
←早朝の赤い乗鞍岳
こんな綺麗な景色の中に存在できて感激。
乗鞍岳が赤く見えるのは早朝、日の出の時、10分間だけ。
たまたま、目が覚めて、晴れていて、タイミング良く、ラッキー。

乗鞍の休暇村は黒っぽい透明の温泉で効き目大。
関西出の料理長なので、食事が薄味で野菜中心、美味しい。
デザートはラクトアイスとケーキを避けて、果物だけで満足、ヘルシー。

夕方に到着して翌朝には出立の通り過ぎるような旅。
中庭から遊歩道を通って牛留池を一周した。
←休暇村の中庭から牛留池へ
散策路ではウグイス、コマドリ、カッコーのバードウオッチングができる。
変わった形のネジネジの木、花が終わって巨大化した水芭蕉、蕾が蓮華の形をした蓮華つつじがある。
←ネジネジの木と水芭蕉
牛留池は乗鞍岳が噴火した時にできた溶岩台地に水が溜まった池。
標高1590Mにある。
←牛留池から乗鞍岳
牛留池に乗鞍岳が映って美しい。
←池に移る乗鞍岳
7月に入ると富士山も乗鞍も山開き。
本格的な登山の人が行く季節。
街歩きのスリッポンで遊歩道を散歩するくらいの私には初夏の山開き前がちょうど良い。
←乗鞍観光センター
帰り路、村の駅で紅山紫陽花を買った。
クレナイヤマアジサイは長野県で見つかった種類の紫陽花。
陽にあたると花が赤くなり、日陰の花は白い。
←紅山紫陽花(くれないやまあじさい)
いつも、何も欲しがらない友弥人が珍しく 「僕、これ買う」と手に取ったのは有明紅葉。
←有明紅葉
安曇野市穂高有明に自生する葉っぱが9片に分かれている紅葉。
「こいつも盆栽に手を出すようになったか」 とは心の中で思っただけ。

 by mikiris


第212回(2017年8月1日)夏籠り(なつごもり)

 7月8月の京都はじっとしていても汗がじわーと出るくらい暑い。
道を歩いてるのは仕事の人か観光客だけ。
用事がない限り、外には出たくない。
暑い夏はクーラーをかけて家の中の大掃除、気になる用事を済ませるに限る。

軒下に放ったらかしにしてた自転車を引っ張り出した。
カバーも掛けずに置いてたので、埃まみれ、錆だらけ。

20年前、プジョーの折りたたみ自転車が流行ったころ、国産の安いのを買った。
価格は5分の1だけど、見た目はカッコいい。

近所を乗り回したら高校生のグループが振り返って見る。
あちこちで「かっこええな~」と言われる。
そして 「こんなん、ちょっと車に積んで持っていかれるで」 とも

 プジョーの自転車に乗ってる友達は
「停めるときは高島屋の駐輪場に置くねん。 取られたらイヤやもん」

乗って行く先を選ぶので、だんだん乗らなくなった。
そのうち、寺町通や四条通が人でいっぱいになり、自転車でスーッと走れなくなった。

7年間、気になりつつも、雨ざらしだった自転車はボロボロ。
タイヤはぺちゃんこ、中のチューブもいかれてる。
籠のプラスチックは経年変化で触るとポロポロ落ちる。
全体に金属部分は錆びて茶色く変色。

アマゾンと楽天で部品を取り寄せて、友弥人が修理をした。
私は捨てる雑巾を何枚も使って、汚れを磨いた。
←赤い自転車
修理仕上がった自転車に乗って、近所をいっちょ回りしてスーパーへ。
7年ぶりの乗り初めはヨロヨロして、何度も足をついた。
走り出すと、昔取った杵柄、スーッとなめらか。

昔はどこへ行くのも26インチのオランダ型の自転車で、走ってたらどこまでも行けそうな気分だった。
このまま走って、東京まで行けそう、と思った。
折りたたみ自転車は21インチなので、結構、しんどい。
京都市内、近い所をウロウロ。

休みの日に家の近くの定食屋さんへ自転車で。
京大の近所なので、安くておいしい店がある。
←チキン南蛮定食

暑いけど、店の近所の文化博物館へ。
「パリ マグナム展」は楽しみにしていた写真展。
戦前から現代までの報道写真やポートレート。
光と影、人や風景が見せる一瞬。
←パリ マグナム展
同時開催で明治から昭和にかけての京都の写真と映像の展覧会。
絵葉書や写真で見ると、比叡山や東山の形、お寺の境内は昔も今も同じ。
町の様子は大きく変化している。
四条通は道幅が広くなったし、田畑は住宅街になった。
←文化博物館

イリスと北隣の旅館との間にガス燈がある。
昔は町内にいくつもガス燈があったらしいが、残るは1個だけ。
ガス管が錆びて、いつか、落っこちてくるかな~、の雰囲気。
←ガス燈
取り外すにあたって、京都市の文化財課が引き取って保管と決まった。
こうして少しずつ古い物が町から消えて行く。
いつか、どこかで再会できるかも知れない。

7月17日は祇園祭りの前祭り、山鉾巡行。
毎年、祇園祭には粽(ちまき)を買って、厄除け、疫病避け、家内安全の為、玄関に飾る。
粽は各山鉾でデザインもご利益も各種ある。

孟宗山のちまきは病気の親の為に雪の中へ筍を掘りに行った話に由来して親孝行の意味がある。
岩戸山は天照大神の天の岩戸から由来して、開運。
安産のご利益の鉾や山は多い。船鉾、大船鉾、占出山、鈴鹿山、行者山。
油天神山は学問成就。
菊水鉾は不老長寿、商売繁盛のご利益。
現代人にとって「何の役に立つ?」と思うが、山伏山は雷除け、太子山は身代わり。
郭巨山は金運でちまきに小判が付いてる。・・来年はこれにするかな。
←祇園祭のちまき
去年は月鉾のちまきを買った。
ご利益は厄除けだが、京都で月鉾は「ツキが来る」と人気がある。
今年は山一番のくじを引いた占出山のちまきを買った。
祇園祭の巡行の順番は先頭の長刀鉾をはじめ、何基かはくじ取らずと順番が決まってる。
それ以外の山鉾はくじ引きで順番を決める。
今年の山一番のくじを引いたのが占出山。
偶然にも同級生の町内の山。

新京極通が四条通に突き当たる所に八坂神社の御旅(おたび)がある。
7月17日、祇園祭の前祭りの夜に八坂神社からお神輿(みこし)が出て、町内を回って御旅に鎮座する。
24日、後祭りの夜にお神輿は八坂神社へ帰る。
1週間だけ、御旅に居るお神輿さんです。
←御旅に来ているお神輿

暑いけど、パスポートの期限が残り半年を切ったので、更新の為に京都駅ビルへ。
この為に半年間、家の中の白い壁をバックに、何度も何度も写真を撮った。
「目が腫れてる」 「服の反射が悪い」 「髪の毛がバサバサ」 「不細工に写ってる」
やっと、自分でOKの出る写真が撮れたので、プリンターで印刷して旅券事務所へ行った。
しかし、友弥人の写真は中に占める顔のサイズが小さいと却下された。
私はギリギリOKだけど、写真の解像度が悪いので却下。
今は出入国が顔認証なので、かなり写真には厳しい
暑い中、出直すのも面倒なので隣のスタジオで写真を撮って提出。
半年間の努力が無駄になって、思わぬ出費になった。
1週間で出来上がるので、印紙を貼った引換証を持って取りに行く。

パスポートを受け取って、近くの京都国立博物館へ。
企画展の水族館展を見た。
京都水族館とコラボした企画展。
←京都国立博物館
江戸時代の日本画、絵巻、着物、工芸品、中国の書や絵に魚や貝をモチーフにしてある物を集めて展示。
美術的な解説に加えて、京都水族館の館長さんがモチーフの魚や生き物の説明を付けている。
海老や亀、魚の特徴を記して、描いた物を特定するポイントも書いてある。

刀や武具に使われている「鮫皮」が実は「エイ皮」だった。
恵比寿さんが釣る鯛は鼻が4つある。
天然の鯛は鼻の孔が4つ、養殖の鯛だったら鼻の孔が2個。
水族館好きの私には楽しい企画展。

←コピ・ルアク
親戚がベトナム旅行のお土産にコーヒーをくれた。
袋にある猫の絵が可愛いのと、試飲して美味しかったから買ったらしい。
どういうコーヒーか知らなかった様子。

「コピ・ルアク」はジャコウネコの糞から取ったコーヒー。
ベトナムのコーヒー農園で熟した実を食べたジャコウネコの糞を拾い集めたもの。
世界一高価なコーヒーと言われてる。
東京のホテルで1杯 6,000円で飲める、との噂もある高級コーヒー。
←コピ・ルアクの豆
豆の状態で2袋もらったので、自宅で削ると、すでに香りが、、、、
バニラとチョコとコーヒーを混ぜた匂い。
動物の糞の匂いは無い。
早速、電話でお礼。
「珍しい、上等なコーヒーを有難う」
値段が気になって聞いてみた。
ベトナム・ドンと日本円の計算は適当で、100g 1500円位。
普段に飲むコーヒーよりずっと高いけど、ホテルでサービスされる1杯を考えると、う~ん。
自分では買えない物をもらえるのは嬉しい事。

還暦過ぎても、まだまだ、初めての事があって面白い。
私がこの年なので、親世代は90才前後になる。
母も叔父、叔母、何かしらで病院へ通ってるけど、元気にしている。
よく食べ、よく寝て、体調は順調でも、会話は順調でない時がある。

母は耳が遠くいこともあり、話は1/3しか通じてない。
難儀なのは、断片的な単語から想像して話を作ってる。
誰と話してもそんな感じなので、母の話を信用して恥かいたり、ひどい目に会ったのは多々ある。
私に学習能力がなくて、つい、母の言うことを素直に聞き、やられてばっかり。

先日、叔母にマスクメロンを持って行った。
1週間後、そろそろ食べ頃なので、叔母宅へ行き
「おばちゃん、この間のメロン、食べた?」
「え~、どうやったかな」
「メロン、あげたやろ。うちは昨日、切ったらええ感じやったえ」
「ふ~ん、そうやったか」・・・メロンの記憶が無さそう。

ある日、叔父から「他所から果物をもらったから、取りにおいで」と電話。
大きな台湾マンゴーをもらって帰った。
1週間後、叔父に会って
「マンゴー、美味しかったわ。ありがとう」
「mikirisちゃんにマンゴー、あげたかな?」
「2個、もろたえ。いっつも、ありがとう」
直接、叔父から手渡しだったのに、記憶に無い感じ。

暑い日でも出かけたついでに様子見に立ち寄る。
元気にしてくれてると安心。

平凡で普通な毎日だが、時は流れていく。

 by mikiris


第213回(2017年9月1日)イワシのトルネード

 生まれ変わったら何になりたい?と聞かれて「魚」と答えていた頃がありました。
水族館で魚を見るのが好きで、水の中を泳ぎ回る魚は自由でいいな~と思ってた。

 ファインディング・ニモを見て、海の魚も水族館の魚もそれなりに苦労があると知った。
もう生まれ変わっても魚になりたいと思わないし、人間が一番、面白いかな、と思う。

 大人になってしまったけど、水族館で魚を見るのは楽しい。
許されるなら、一人で何時間も水槽の前に居て、泳ぐ魚を見ていたい。
実際、水族館に行くと、水槽の前に椅子があり、ずっと眺めてる人がいる。

名古屋港水族館でイワシのトルネードが見られると知って、早速、出かけた。
水族館は3階建てで北館、南館に分かれていて広い。
←観測船富士、シャチの骨
シャチ、ごまふあざらし、ベルーガ(白鯨)のパフォーマンス、餌付けのショーがある。
←シャチの親子とごまふあざらし
←ベルーガ
水槽のトンネルが何か所かあり、サメやエイのお腹が見える。
←トンネルの水槽
大シャコ貝、ヒレナシシャコ貝が生きている展示は非常に珍しい。
←シャコ貝
サンゴの展示が綺麗。
←サンゴの海
水族館で孵化させた赤ちゃん亀の展示がある。
時々、息をするために底から水面に上がる様子が可愛い。
←直径5㎝の亀の赤ちゃん
←チン穴子の赤ちゃん

イワシのトルネードは1日に数回ショーがある。
12時からのショーを見るのに、水槽前に15分も前に到着してしまった。
何人か、座布団を敷いて座ってる人が居たので、私も適当に水槽前に座った。
5分程して、やっぱり12時まで、どっか行ってこようかと後ろを振り向いてびっくり。
ズラーと座ってる人の後ろにズラーっと立ってる人。
放送で「本日は満席の為、開始を早めて、2回公演にします」
早く始まるのは嬉しい。
←いわしのトルネード
音楽が鳴って、大きな水槽に餌を入れたポットが降りてくる。
その餌をめがけて3万5千匹のイワシが移動する。
餌のポットがアチコチに移動すると銀色のイワシも一斉に移動する。
水槽にはサメとシイラ、カツオみたいな魚も居て、そいつらが意地悪してイワシの群れに突っ込んでいく。
サメは大きな口をあけて、向かってくるイワシの大群に食いつく。
小さなイワシの寿命は数年間なのと、他の魚に食われるので、半年毎に1万5千匹の追加がある。
幻想的なイワシのトルネードは見て楽しいし、美しい。
←イルカショー
イルカショーやペンギンの展示は越前松島水族館の方が良かった。
名古屋港水族館はプールが広く、カメラ2台で撮影して大画面に映像が出るけど、パフォーマンスが物足りない。
広いプールでダイナミックなショーを期待したけど、残念。
←泳ぐペンギン

水族館を後にして、伊良湖岬の休暇村へ。
お風呂は温泉じゃないけど、薬湯、濁り湯、炭酸湯の3種類あって、良く効く。
夕食はカサゴの活け造り(500円!)を追加して、海辺なのでお魚いっぱいの料理。
地元野菜の天ぷらと大あさりはライブキッチン。
野菜が美味しかった。
←かさご活け造り
伊勢湾を挟んで鈴鹿の山に沈む夕日が綺麗。
船が通って行くのも風情がある。
←伊勢湾の夕日

翌朝、メロン狩りを予約したので、その前に運動してお腹を減らさなくちゃ。
渥美半島の先端まで行って、灯台と恋路が浜を廻って、丘の上の電波塔まで行った。

「♪名も知らぬ 遠き島より流れよる 椰子の実ひとつ♪」 島崎藤村の歌になった恋路が浜。
伊良湖岬の先端には日本の灯台50選に入っている白い灯台がある。
←伊良湖岬
←伊勢湾海上交通センター
1時間半ほど歩いてから車で15分のメロン農園へ。
休暇村からの予約で、10時から午後4時の好きな時間に行くのでOK。
←マスクメロンの温室
私はイチゴ狩り、梨狩り、ブドウ狩り、ブルーベリー狩り、何とか狩りは嫌い。
そういうのは狩りのあとに食べ放題が付いてる。
食べ放題と言うのが嫌い。
私が少食だから、必要な分、食べたい分だけ買う方が経済的。
焼肉食べ放題、飲みホ~とか、大嫌いで絶対行かない。

その私がメロン狩りを申し込んだのには、それなりの理由がある。
マスクメロン狩りだから。
子供の頃はメロンは憧れの果物だったし、今もメロンと聞くと背筋が伸びる。
たまに1玉500円とか1000円で売ってると買うけど、アールスメロンやアンデスメロン。
マスクメロンはT型の茎が付いてるし、箱入りで果物屋さんの棚の高い所に置いてある。

マスクメロンを自分で切り取って、お土産に持ち帰る!
楽しそうや~。
やっぱり、食べ放題が付いてる。
「マスクメロンの食べ放題って、半個くらい食べられるかな」と心配。
友弥人は「2個は食えるぞ」と自信あり気。

農園の駐車場で専用バスに乗り換えて2分。
温室に入ってハサミを持ち、好きなメロンを切り取る。
お客さんは私達2人だけだったので、メロンの林をウロウロして大きいのを探した。
メロンは高さ2メートルのトマトの木みたいな感じ。
大きく育った実は一玉ずつ紐で吊ってある。
ちょっと持ち上げて、重さを量り、重いのを選び、茎をT字に切り取る。
二人だけなので、土に印をつけて、行ったり来たりして、どっちがええやろ?
選ぶのに必死で、写真を撮るのを忘れました。
←収穫したマスクメロン
切り取ったマスクメロンは箱に入れてもらって持ち帰り用。
バスで戻って、食堂でマスクメロンの試食、40分間食べ放題。
最初は16切れ乗ったトレイを渡される。
1玉を8切れに切り分けたもの。
隣に座っていた二人組は1皿目を制覇しつつある。
私達もせっせとメロンにスプーンをさして、次のメロン、次のメロン。

お代わりのトレイは小さいトレイにして、お腹いっぱい。
友弥人は余裕があるらしく、もう1回取りに行くか逡巡してる。
結局、二人でマスクメロン3個。
1人、2個が標準なので、ちょっと負けた。

渥美半島はメロンや瓜、珍しい野菜栽培が盛んで道の駅で販売されてる。
サイズの不揃いなズッキーニ、斑色になるべきが白く育ったゼブラ茄子。
メロンは3個入り、5個入りと箱売り。
花の栽培も盛んなので、養蜂も盛ん。
←袋入りの野菜
←渥美半島の特産品

来年、友弥人はメロン3個に挑戦するって。
そんなこと言わんと、一人で4個に挑戦、どうですか?
遠慮しなくても、食べ放題だよ。

 by mikiris


第214回(2017年10月1日)40年ぶりに

偶然は重なるもので、この1か月で「40年ぶりやわ~」と言うのが何度もあった。
友達が琵琶湖畔に別荘を持っているので、風は涼しいけど、陽射しの強い日に遊びに行った。
ヨットやサップ、ウエイクボード、カヌーと遊ぶ道具が色々ある。

琵琶湖で水遊びをするのは40年ぶり。
別荘前の浜にカヌーを運んで、一人乗りのカヌーに乗り込んだら湖に押し出された。
友達は 「ひっくり返ったら助けに行くし、大丈夫。 遠くまで行けー」
←一人乗りのカヌー
カヌーに乗るのは初めてだけど、ボートと一緒でしょ。
ライフジャケットを付けてるし、何もなくても1キロくらいは泳げるので心配してない。
一人乗りの次は私とイリス店主が二人乗りに、友達が一人乗りのカヌーで沖までキコキコ。
一番の心配は日焼け。
←二人乗りのカヌー

40年前に琵琶湖で水上スキーをして遊んでいた。
イリス店主が私に借金して中古のモーターボートを買った。
休みの日は早朝からお弁当を作って琵琶湖のマリーナへ。
忍者は水の上を走るけど、水上スキーは水の上を滑る。
最初は水の中に座っていて、ボートに引っ張られて水を踏んで立つ。
水を踏む感覚は何とも不思議な感じ。
そういえば、この時の借金、返してもらったかな?

←須磨水族館
 須磨の水族館が新しくなったので40年ぶりに行ってみた。
←珊瑚、クラゲ
40年前に水族館に森の水槽が新築され、アマゾンの魚が展示された。
鱗が硬くて大きい魚で体長は2-3Mになるピラルク。
顔が上下に平たくて、体は鯉みたいで、尻尾が短い。
←ピラルク
改装された水族館は建物が増えて、展示の魚の種類も増えた。
ピラルクの水槽はトンネル状になっていて、泳ぐ姿を下からも横からも見られる。
久しぶりに会えて嬉しい、良かった。
←シュモク鮫、シロワニ、ナースシャーク
他の展示は鮫の種類が多いけど、あとは普通。
水族館のドキドキ感が無くて、残念。。。
←明石海峡大橋
須磨を後にし、今年3度目の淡路島へ。

休暇村から誕生日割引の葉書が来たので、ここでお祝い。
←天文台のある休暇村
部屋は福良湾に面した和室で、フグの養殖をしているエリが見える。
早朝、5時に露天風呂に行こうと起きたら、福良湾が赤く染まっていた。
←朝日に染まる福良湾とフグのエリ
←活け造りと鱧の湯引き

淡路島へ行ったら伊弉諾神宮へお参りして、大きな楠にタッチする。
建物も雰囲気も一番好きな神社。
←伊弉諾神宮本殿と宝物殿
←御神木の楠

大学のゼミの卒業生が先生を囲んで保津川下りとランチという集まりがあった。
←保津川下り
保津川下りは子供の頃に何度か行った。
最後に舟に乗ったのは40年前。
昔は亀岡までバスで行って、渡し舟で嵐山の渡月橋まで戻る。
舟の先に座って、ビニールを渡されたのを覚えてる。
水がかかりそうになったら、サッとビニールを立てるように言われた。
木製の舟で左右の岩にガンガン当たって、かなりハードな急流すべりだった。
あの頃は若くて、動きも機敏だったが、今は前の席ならビショビショになりそう。
←トロッコ嵯峨駅
トロッコ嵯峨駅に集合してトロッコ列車で亀岡まで。
廃線になった旧山陰線の線路を20年前に復活させてトロッコ列車が走っている。
保津川の沿いを走り、保津川下りをしている舟を見下ろす位置にある。
最初は列車の左手に川が見え、しばらくすると橋を渡り、右手に川が見える。
右手の窓際が特等席。
←濁流の保津川
煉瓦造りのトンネルを抜けたり、新しいJRの電車と交差する地点が2箇所ある。
交差する電車が鉄橋を渡ってトンネルに入って行くのに遭遇。
←JR新線が交差して、トンネルに入る
この日は台風18号が近畿地方を直撃した翌日。
保津川は茶色い濁流になり、保津川下りは中止。
普段はエメラルドグリーンの綺麗な水なのです。
←吊り橋を渡る保津峡駅と鬼
保津峡駅から鬼さんが乗ってきて、乗客のカメラを取って一緒に自撮り。
グループで乗っている人や外国人は大喜び。

ランチは湯の花温泉の料理旅館、すみや亀峰庵で。
←すみや亀峰庵
5000円のコースだが、松茸づくしで何種類もの料理が出た。
←松茸土瓶蒸し、鍋料理
←松茸ご飯・・お代わりOK
建物の2階が入口、売店、ライブラリー、1階にワインセラーがある。
ぶどうジュースは赤、白、ロゼの三種類あり、葡萄の実を飲んでるみたいな味。
建物の随所にアンティークの家具と小物が配置してあり、センス良く、落ち着いた感じになってる。

先生の自宅に集まっていたのを、敬老の日の遠足に変更して3回目。
最初は15人程の参加者だったが、だんだん増えて、今年は30人以上になった。
卒業生のコネと人脈、機動力を駆使して楽しい、大人の遠足。
企画と手配をしてくれた人達に感謝して、乾杯した。

40年ぶりの最後は靴の修理。
←黒紫色の靴
40年前にイタリアのフィレンツェで買った靴。
黒紫色が綺麗で、洋服やバッグに合わせ易くて、履き心地が良い。
海外旅行に履いて行ったこともあるが、長年の酷使で底がすり減ってしまった。

40年間、ご苦労さんだったけど、もうひと働きしてもらおうと、修理にだした。
靴底とかかとを補強して、クッションができて、長距離でも歩ける。

 2020年に東京オリンピックが開催される。
56年ぶりの開催で、私にとって2度目の東京オリンピック。
これはなかなかスゴイことだと思う。
3度目は無理だと思うので、この際、聖火ランナーに応募してみようか。
選ばれたら、割烹着で聖火を持って、おばちゃんランナーをやってみたい。

 by mikiris
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第215回(2017年11月1日)ロンドン 街歩き

 南回りの飛行機で早朝にヒースロー空港へ着いた。
←マレーシア経由でイギリスへ
空港からロンドン市内のパディントン駅まで、ヒースローエクスプレスで15分、22ポンド。
しかし、私達はこれに乗らない。
同じプラットホームから出るヒースローコネクトなら、20分かかるけど、半額で行ける。
←エッジウェアロードのホテル
 泊まるホテルはパディントン駅から徒歩10分のメトロポール。
チェックインをして、荷物を預けてそのまま外出。
早朝に着く飛行機の良い点は、着いたその日から仕事ができる事。
←2階建ての市バスで移動
 早速、ロンドンの西の端にあるバタシー公園でのアンティークフェアへ行った。
普段なら入りにくいような高級店からアンティークモール内のリーズナブルな店まで、多数の出店。
カフェはレストランも設備された屋内のフェア。
それぞれのブースが一軒の店のように作られている。
ルネッサンス期の素敵な掘り出し物があり、初日の朝から幸先がいい。
←ロンドンブリッジ近辺
その足でバーモンジー(Bermondsey)のマーケットへ。
この地域の再開発で屋内のマーケットは無くなり、小さな三角公園で露天があるのみ。
グルっと廻って、やっぱり何もなかった。
←バラ・マーケット
バーモンジーから徒歩でバラ・マーケット(Borought Market)へ。
6月3日の夜、ロンドン・ブリッジで暴走した車が歩道の人を引き、その先のバラ・マーケットで何人もをナイフで刺すテロがあった。
金曜日の午後のバラ・マーケットは満員でごった返していて、事件をみじんも感じさせない。
しかし、2年前に比べて店の入れ替わりが多かった。
パンやケーキ、ヨーロッパの店が焼きそばやカレー、アジアンやアラブ系の店が増えた。
←カッパカゼイン
以前はマーケットの中にあり、売り切れで食べ損ねたラクレットの店へ行った。
道を挟んだマーケットの前に常設の店になっていた。
チーズサンドとジャガイモチーズの2列に分かれて並ぶ。
差配する人が居て、間違わずに並び、待ってる間に注文してチケットをもらう。
熱々の新じゃがにトロトロになったラクレット・チーズをたっぷりかけて、ピクルスを添えてある。
一皿を2人で分けて食べて簡単なランチになる。
カロリー高いけど、美味しい。

 土曜日はポートベローのアンティークマーケットの日。
バスに乗ってラドブローク・グローブへ。
ビンテージ物や新古品の店がこの辺りに集中して増えてる。
モールもあり、中古品とアウトレットがてんこ盛り。
野菜や魚、調味料の店、ピザや焼き肉の店もあり、お祭り広場のよう。
←ポートベロー
ノッティングヒルの方向へ進むとアンティークの店がある。
本当にアンティークと言える物を売る店は減っているが、未だ、ある。
どの店にも、どのモールにも入って、すべての品をチェックして、ピンとくるものを探す。
大した成果はなくても、無いよりはまし。
骨董探しは歩いて、歩いて、目を光らして、耳を澄ませて。
←道路のクリスマス装飾
午後はボンド・ストリート、キングス・ロード、チェルシーと見て回る。
例え、買えるものがなくても、どんな品物をいくらで売ってるかを見る、市場調査になる。
←キングスロード、ボンドストリート
 今回の私達のイギリスでのミッションはアンティークを探す事とポンドを使うこと。
イギリスはお札の切り替えがあり、新しいデザインのお札が発行されると旧札は使えなくなる。

5ポンド札は2017年5月5日で流通廃止になった。
新しい10ポンド札が2017年9月14日に発行された。
旧10ポンド札の流通期限は決まってないが、多分、2018年5月5日。
流通廃止の3-4か月前に告知される。
←プラスチックのお札と12角形のコイン
1ポンド硬貨は2017年3月28日に12角形の新ポンド硬貨が発行された。
古い1ポンド硬貨は2017年10月15日で流通廃止。
ギリギリ使いきれた。

2020年には20ポンド札も新しく切り替わる。
←2020年に切り替わる20ポンド札
流通廃止後にお札は銀行で新ポンドに交換してもらえるが、コインは交換不可。
自販機やスーパーのセルフレジなら機械が交換されるまで使える。
全ての表示や自販機、ATMの対応を替えるのも大変な作業で、一日ではできないから。

 日本国内なら住友銀行が流通しなくなった旧ポンド札を両替してくれる。
いつまでか知らないけど、廃止後半年はOKだった。

 日本では発行されたお金は永遠に流通する。
板垣退助の100円札、岩倉具視の500円札、伊藤博文の千円札、聖徳太子の5千円札、聖徳太子の大きな一万円札。

 新しい通貨やお札が発行されても、昔のお金が使えるのは有難い。
引き出しの奥や本の間から出てきたヘソクリ、イギリスなら涙ポロポロ、残念無念だが、
日本でなら「ラッキー、万歳、やったー」となる。

 物価は安いし、治安はいいし、タンス預金ができるし、日本で良かった。

 by mikiris
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機内から

フライト中の窓から見る景色は北回りなら一面の氷景色と海。
南回りは夜間飛行なので景色は見えない。
その代わり、窓から真横に星座が見える。

こんな可愛い形の月も見える。
画像では見えないが、うっすらと丸い全体像も見えていた。

夜明けに向かって飛ぶので、急激に空が明るくなる。

朝焼けの大阪の空。
関空と本州を結ぶ橋が見えて、到着。


 by mikiris


第216回(2017年12月1日)続 ロンドン街歩き

 ロンドンに滞在中、時間を持て余す事がない。
ちょっとでも時間があったら、美術館へ行く。
イギリスは国の政策で美術館、博物館が無料。(私設の美術館は有料の所もある)

 ロンドン市内に250の美術館、博物館がある。
その中でベスト1位はV&A、サウスケンジントンのビクトリア―アルバート・ミュージアム。
地下鉄の駅から地下通路で直結しており、地下の入り口から入れる。
この通路は自然科学博物館に行くのも便利で、雨降りや寒い日に重宝する。

V&Aは工芸品が中心の美術館。
年代別、地域別、種類別に分けてあり、一日で全てを見るのは無理。
集中して見て、4時間も居たら疲れてしまう。
疲れたら1階のカフェか庭で休息。
食事をしたり、コーヒーとケーキでほっこり。
ごく近い距離を飛行機が2分毎に飛んでいく。
←V&Aの庭
エレベーターで上の階へ行き、陶磁器を最初にチェックする。
ホールにスリップウェアを詰め込んだショーケース。
英国の陶磁器コーナーにコムやマーブルのスリップが並ぶ。
←英国スリップウェア
結婚式のお祝に送られた小型の揺りかごは18世紀。
←スリップウェアの揺りかご
両壁面と中央のケースに陶磁器が並ぶ。
ヨーロッパ、フランス、イタリア、イスラム、中国、日本の陶磁器も多数展示されている。
←陶磁器コーナー
オランダの陶器を見て、
「うちにあるのと同じやわ~」
16世紀のアントワープ、17世紀のマーブルの菊皿、白デルフト。
←オランダ陶器
吹き抜けの玄関ホールを上から覗くとガラスのオブジェが飾ってある。
←V&Aホール
金工細工の展示は看板や鍵の形が可愛いのや、複雑なのがあり面白い。
←金工細工
ファッションの展示。
カーチーフの使い方、時代によるドレスの変化がわかる。
真ん中は1750年のブリュッセルボビン、右はオーストリアのニードルレース。
←レース
楽しみにしていた中世のコレクションは展示品が豊富。
12世紀からのステンドグラスは電気パネルの前に置いて見やすい。

中世の壁飾り、天使の祈りとサン・ジョルジュの竜退治。
←中世のパネル
キリスト教をモチーフにしたパネル、人物、織物。
←中世美術
13世紀から15世紀の聖歌楽譜、時祷書は羊皮紙の本とリーフ。
ラピスや孔雀石の輝石を使った細密画が素晴らしい。
←時祷書、中世楽譜
何人もで一緒に楽譜を見るので、大きなサイズ。
細密画が描いてあるのは上等な楽譜。
←中世楽譜
時祷書は個人の物なのでサイズは色々。
貴族の女性は小さな時祷書を持っている。
金を使った物や絵が多いのを持っていたのは誰だったのか、過去の時代に思いを馳せる。
←中世時祷書
中世のイコン。
母子像をモチーフにしている。
←中世イコン

別の日に大英博物館(British Museum)へ行きました。
建物に入る前に特設テントの中でバッグの中を見せてセキュリティ・チェック。
←大英博物館
良く晴れた日曜日、人手も多く、賑わっている。
ガラスの天井が陽の光を受け、壁に映る。
2階レストラン横の通路からホールを見る。
←博物館2階から
午後から近くのホテルのアンティ―クフェアへ行くので、ゆっくり見ている時間がない。
気になる物だけ、見て回る。
まずは紀元前のローマンガラス。
←ローマンガラス
昔の工芸品のアクセサリーが好きなので、そちらも見に行く。
イタリアのフローレンス・モザイクは輝石で作ったアクセサリー。
ローマンモザイクはガラスを小さく切って、描く。
どちらも1860-70年。
←イタリア・モザイク
中世のキリスト教美術、フレスコ画と1300年代の教会のドアを飾った木彫。
1点、仕入れることができたので、類品が気になる。
←フレスコ画と14世紀木彫パネル
猫のミイラや小型のミイラ達は以前見た物とは別のが展示してある。
←小さなミイラ
日本美術の部屋の入り口を入ると、重文の仏さま。
←日本美術
日本美術はダイジェスト版で鎧兜、塗り物、鍋島や伊万里、金工細工、書と少しずつ色々。
ア リトルビット エブリシング でした。
伊勢物語は外国人が見ても美しいのだろうなぁ。
私もこんな字が書けるようになりたい、、、の前に読めるように。
←筒井筒
中世の工芸品で真珠や宝石を使った容器。
木彫の像、鎧。
←中世工芸品
壁一面に書物が並んだ資料室。
貝や鉱石の標本もある。
←ライブラリー
表の入り口は混んでいるが、裏口から出たら閑散として良い雰囲気。
←大英博物館 裏口
裏口近くにあるレイセスター・スクエア。
のどかな日曜日の公園は散歩する人、ベンチで休む人。
←レイセスター・スクエア
この日は中心部で市民マラソン大会があり、ハイドパークやマーブルアーチを集団で走っているのを見た。
こんな平穏な日が続いて欲しい。

 by mikiris


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